情報リテラシー

社会のこと
Unsplashmicheile hendersonが撮影した写真

近頃は、いろいろな情報がネットだけで見つけられるようになって、本当に便利だ。
昔だったら、図書館に出かけて本を山積みにして、職員の人に横目で見られながらの作業になっていたようなことでも、自宅にいながら、キーボードとマウスを動かせば簡単に答えが見つけられる。
もちろん、そういう面を利用した詐欺なども横行しているので、気を付けなければいけないけれど、そこまで行かなくても偽物も少なくない。
なので、情報量が多いが故の必要な情報を取り出すことの困難さ、というのがあって、調べるのに、結局、時間がかかってしまうことがある。
この辺りもセンスの必要な部分なので、理解が必要なのだと思うようになった。

例えば、お料理。
XXの作り方、と検索すれば、情報がずらりと並ぶ。
その中には、同じようなレシピなのに、別々のサイトで紹介されている場合もあるし、微妙に調味料の量が違ったり、手順が違ったりするものもあって、安全に関係のない部分は好みで選べばよいと思う。

手作り化粧品の場合、昔からキュウリやレモンでパックするという方法があるけれど、皮膚科の先生によると、ビタミンCというものは、大きいので、そのまま肌に乗せたところで浸透して行かないとのことだった。
つまりプロの作ったものが優れているということだろうと思っている。
その進化系として、最近はハーブを使ったものも多い。
特にyoutubeへ行けば、ビデオで丁寧に解説がしてある。
植物から成分を抽出するのに、材料が安価なため、石油系のプロダクツを使っている場合が多いので、水やアルコールを使う手作りの方が優秀なことを説明しているサイトもある。
我が家の猫の瞼ほどしかない庭にもハーブがあるので有効活用したいと思って調べてみた。
一つを観て、これで完璧、と思えることができればよいのだけれど、好奇心旺盛な私としては、他ではどんなことが説明されているかと気になる。
成分を抽出するのにアルコールを使って取り出した後、アルコール分だけを湯煎で飛ばすというのが一般的な方法のようで、アルコールの蒸発について、湯煎時間と濃度の数値を調べて書いてくれている人があったので、これは参考になると思った。
ところが、抽出するために植物をアルコールに浸しておく期間については、まちまちなので困ってしまった。
一番短いもので、1週間くらい、中には「どんなものでも、だいたい2週間くらい」と言う人もあった。
次は1-2か月、そして半年、1年が限度……。
これでは、どうするべきなのかがよくわからない。
そこでyoutubeから外れて、一般的なサイトを検索してみる。
”エタノール抽出 植物 期間”と検索窓にタイプする。
すると、必要な情報「植物から有効成分をアルコールによって抽出するのに浸しておく期間」が含まれていない情報も出て来るし、能力に合わないほど専門的な用語の並んだ大学のサイトの文献を長く読むのは、つらいばかりか、情報を見つけられなくて困った。
とってもわかりやすく書いてあるところを読み進めていくと、一部の知りたい情報が明らかになっていないので、もしかしたら?と思っていると、最後は自社製品の化粧品の広告で締めくくられている。
いくつか見て行くうちに、

- 1-2か月後にはある程度抽出されるが6か月くらいになると、よくアルコールの中に出ていて、いいよ。
長いほどアルコールに溶け出すけれど、1年が限界なので、気を付けてね。-

ということらしいと理解ができた。
これで完璧なように見えた。
けれど、検索の途中で気になった文言を見つけたので、そちらも検索してみる。
それは、「光毒性」という言葉だった。
つまり、抽出する植物の成分によっては、光に敏感なので、塗った部分を日に晒すと赤くなったりかぶれたりするということだった。
なので、使うのは夜限定とのこと。
そういえば、米国のサイトで購入したスキンケア化粧品の中に、夜だけ使うように書いてあるものがあった。
そういうことだったのかと思う。
ところが、私の観たyoutubeのビデオの中には、残念なことに、この「光毒性」について説明しているものはなかった。
もっと、たくさん見れば出てくるのかもしれないけれど、ここで検索をしなかったら、もしかするとケアをするつもりが反対の結果になっていたかもしれない。
つまり、未完成な情報が多いので、気を付けなければならないということがよくわかった。

近頃は、AIとかchatGPTを使って作業をするのも一般的になりつつあるけれど、こういった検索も一般で利用できるものが完ぺきにこなしてくれるのかどうかについては疑問に思う。
絵を描いてくれるAIについては、イメージを作るための情報として、もう半年以上前から利用している。
このAIに関しては、インターネット上にある情報の平均値を求めるということのようで、例えば人物の顔は完全に崩れていて、人ではなくなっている場合も多い。
花や虫についても同様だ。
もしかしたら、人が好むものの情報が入って行くと、部分的には著作権に引っかかる可能性もあるので、商用など利用の仕方が難しい。

情報の世界は、どんどん枝分かれしながら進化していくので、数か月間、目を離すと訳が分からなくなってしまう。
これを高齢になって、ずっとついて行くというのは確かに難しいかもしれないと思い始めた。
そのうちきっと、自分で検索するのに疲れた人のために代行してくれるサービスなども出て来るのかもしれない。
おそらく好奇心の強い私は、今日もネット上での探し物のために、たくさんの時間を費やすのかもしれないと思っている。

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