結婚観というものは、日本でもどんどん変化しているので、きっと世界中でもそうなのだろうと思う。
結婚は自由なので、どんな考え方をしても良いだろうと思うけれど、どんな理由にしろ、結婚相手の幸せを望むのでなければ、自分も幸せには、なれないだろうと思う。
欧州にいた頃、結婚とは、こんなに自由なものなのかと思った。
結婚せずに何十年も一緒に暮らし、子供も孫もいるという人もあった。
そこには、税金が関係しているという話だったけれど、それは、私の過ごしていた国では、改善されて結婚する人が増えたとも聞いた。
結婚とは契約なのかもしれない。
ずっと一緒にいて、お互いの面倒を見るという約束でもあると思う。
他にたくさんの国を知らないので、比較する対象が少ないけれど、結婚して女性の苗字の変わる国は少ない。
すぐには、米国、英国と日本くらいしか思いつかない。
日本の場合は、昔だと他家に嫁ぐという意味合いが強かったし、お見合い結婚も多かった。
結婚という形式がまず大切だったのだろうと思う。
ここでも、同調圧力が働いて、他の家と同じにしていることが安全だった。
ところが、Z世代と呼ばれる世代には、出来るだけ結婚したいという人が42%であって、絶対結婚したい人は、16.3%だったらしい。
Z世代「絶対結婚したい」は16%
こうなると、少子化対策以前に、結婚する人を増やすことから始めなければならないのではないかと思う。
もしかすると、別姓結婚とか、国際結婚の場合の子供の重国籍を認めることとか、法律の改革も必要なのかもしれない。
日本人の立場で考えると、結婚する方が子供が出来た時にも、同じ名前の方が通りが良いので、どこの子供化も明確に分かって良いような気がする。
でも、私のいた欧州の国の立場で考えると、そもそもカトリックの家だと、聖人カレンダーで、生まれた日によって名前が決まっていたわけなので、同じ名前の人はたくさんいる。
苗字は主に父親側の名を引き継ぐことになっている、
名前は、例えて言うなら番号でも良さそうな雰囲気で、そんなに思い入れがあるわけでもないように見えた。
疑問に思ったのは、結婚もしないで子供を産んでも女性は不安ではないのかということ。
欧州へ移住して当初、この人たちは深い愛で結ばれているから、結婚しなくても不貞など起こらないと考えているのかしら?と思っていた。
この発想がすでに日本人的なのであって、ちょっと整理しないと自分でも混乱してしまう。
男女が同権ということは、義務も背負うことになるわけで、子供の権利は半々だけど養育の義務も半々だ。
つまり、結婚したら(しなくてもそのような関係を育んだら)たいていの場合、家も一緒に買うので、ローンや税金も半分ずつ支払って、子供の教育費も送り迎えもその他育児の仕事も半分ずつにするということなのだ。
だから、愛情の深さがどうあれ、結婚していなくても、女性に不利益はないということになる。
時々考えていたのは、日本のように結婚して名前が変わって、離婚するとまた名前が変わるというのは、何だか女性に対する罰のような感じにも見えることがある。
或いは、周囲の他人にわかるようにするための見せしめとでも言えばいいのか、別姓婚を訴える人の中には、仕事のキャリアに影響するという問題だけではないものもあるのかもしれないと思う。
私自身は、正直に言えば、別姓婚の多少面倒な状況も知っているので、どちらでもいいと思っている。
欧州の多くの国では、結婚しても苗字が変わらないのだから、離婚しても変わらないというわけだ。
この辺りは、本当にプライバシーが守られてよいと思う。
ただ、困ったことには、親が離婚した子供は、1週間ごとに父母の家を往き来することが多いので、前の週に一緒だった親の家に、教科書を忘れてしまうなどの問題も起こる。
よそのお子さんながら、第一、毎週行ったり来たりで、落ち着かないのではないかと心配になっていた。
話し合いで、どちらか一方の家で育てるという家庭もあったけれど、折り合いのつかないケースが多いようだった。
離婚率は50%と聞いていたから、半分は離婚するけれど、再婚率も高いので、心配いらないと,ご近所の警察関係にお勤めの婦人に教わった。
何度も結婚と離婚を繰り返す人も少なくないので、そうなると子供はたくましく育つ。
これも、珍しいことではないので、特に子供同士の中で気にしたりはしていない。
ここまでさっぱりしていたら、陰口の言いようもない。
パーティーの席の隅の方で、こういう種類のことも、あっけらかんと話をするのだなぁと思って聞いていた。
結婚しにくい事情が資金という日本では、ますます減っていくのかもしれない。
何とかしなければいけないと考えるのがお役目の政治家の中に、女性は少ないし、結婚を考える年代の人や子育ての年代の人はほとんどいない。
もしかすると、その辺りから一番に改革していくのがいいのかもしれないと思う。