先日、ドイツ人の方と話をする機会があって、食事の2時間ほどの間に、いろいろな考えをシェアすることができた。
私の英語が不十分で時々仏語を混ぜてしまったりすることと、BGMのスピーカーが近くにあったので、聞こえづらいという点はあったけれど、まぁまぁ、お話を伺う方はできたと思う。
2001年、欧州通貨統合の時に、私は欧州にいた。
なので、国境がどう変化していき、物流の流れが変わったこと、各国の問題点が浮上したりというような状況を肌で感じることができた。
まだ、情報のデータバンクが十分に整備されていなかったので、犯罪者がノーチェックで国家間を往き来できていたりしていた時期もあった。
そういう事情で犯罪を重ねる凶悪犯もいて、急いでデータバンクの整備をするというようなことも起こった。
その当時、ドイツはベルリンの東側と一つに戻ってから、労働力コストの安かったmade in EU製品を販売して、好景気だった。
それから、もっと価格の安い中国製品がどんどん入り込みはじめて、状況は厳しくなって行った。
例えば、ヨーロッパの中では年に4回ほど、バカンスのシーズンがあるけれど、その旅行先でお土産を購入しようとすると、全く同じ品物で、ニースとかリスボンとか、ローマなどという名前が書かれている商品が目立ちはじめた。
その品物の裏を返せば、小さくmade in chinaの文字。
こうなると、購買意欲は激減する。
中国だから悪いというわけではなく、お土産には、その土地で作られたものを購入したいのに、他所で作られたものを買って帰るという気持ちにはなれないのだ。
しかも、同じデザインの品物をあちらでもこちらでも見かけるとなれば、当然だと思う。
そうしてアジアから台頭してきた品物と、ロシアから購入していたエネルギー資源が入手できなくなって大変だという事情もある。
エネルギー政策の件では、彼の国から購入すべきではなかったという意見も多いという話を伺ったが、このタイミングでの脱原発を心配する意見もあって不安な状況らしい。
そもそも、ロシアのように他の国に侵攻して犠牲者を出した上でのビジネスなんて、成功するはずもない、と思いたい。
そして、さらに看過できない状況のウクライナへの支援もあって、あんなに好調だったドイツもまた、先が見えないとの話だった。
そうなると、これまでEUを支えて来たドイツの経済力も厳しく、フランスも日和見しているみたいだし、欧州もこれまでよりもしかすると急激に変化していくのかもしれない。
世界中の情勢が大きく変化していくのではないかと思われるこの時に、日本のことはもっと見えない。
最近、ネットサーフィンをしていると流れて来るのが、子供の貧困のCM。
日本は、国民皆保険制度というシステムはあるものの、欧州やスカンジナビアのような福祉国家を目指しているのではないみたいだ、と、近頃思いはじめた。
これは、ボランティアや寄付で賄わなければならないということのようだ。
実際に、子ども食堂をボランティアで開いておられる人の話を伺うと、貴重な取り組みだと感じるけれど、悲しいのが本音だ。
子供が少なくなって、人口も減って行き、土地や建物は余って行くだろうし、この先、外国から人に移民してきてもらわなければいけないような状況なのに、それにも反対の声が大きい。
日本人は、優秀だと思うので、とっても頭の良い人たちに知恵を絞ってもらって、早く解決してほしい。
国というものが、とっても大切だということは、国外に出たことのある人なら、みんな感じていると思う。
数年後になくなるなんて言う人のことは信じたくない。
エライ人は、批判するだけじゃなくて、経済が厳しいのならみんなで外貨を稼いで頑張ろうよ!という姿勢で、みんなが前向きになれるような言葉を投げて欲しいと思った。