Superager 2

社会のこと
Oberholster VenitaによるPixabayからの画像

以前、年齢を重ねても若い頃と同じような能力を発揮できる人たちのいることを書いた。
Superager
さらに研究が深まっていて、書籍やYoutubeなどにも情報が出てきたので、Part-2を書いてみることにした。
書籍は、
「80歳でも脳が老化しない人がやっていること」西剛志 著
(脳内学者)

まずは、脳のバランスを知るために、目を閉じて30秒間片足立ちをしてみるというテストを行ってみるのが良いそうだ。
このバランスが整っていれば、バランスが取れていて、老人脳にはなっていないらしい。
40歳代以上の人で、30秒間をクリアできない人は、それができるように練習をすると防止になるのだそうだ。

そもそも脳の老化に気づくのは、とても難しいことなので、老人脳にならないよう、いろいろな兆候を見逃さないようにすることが大切。
老人脳とは、新しいことをするのが億劫になる、物忘れ、無配慮になる、ミスが増える、耳が聞こえにくくなるなどの症状の脳のことを指している。
老人には、頑固でキレやすいか、穏やかで優しいタイプがあるが、つまり前者が老人脳に関係しているようだ。

人間の脳は、18歳が情報処理能力のピークで、30歳を境に委縮を始めるらしい。
65歳頃になると、画像診断ではっきりと違いが出てくるのだそうだ。
けれど、情報処理能力に長けているのは若い脳だけれど、語彙能力のピークは67歳なので、文章を書くなどの能力は、高齢者に向いているということが言える。
体力は衰えていくけれど、脳は若々しく保つことができるので、努力をして行くことが大切だ。
そして、脳を若く保つためには、対策が必要ということで、内容をかいつまんで記してみたいと思う。

メンタルで大切なのは、以下の3つのこと。
1. 「自分は若い」と本気で思いこむ。
2. いくつになっても「欲」と「生きがい」を持とうとする。
3. 脳が老化するネガティブな言葉を使わないようにする。

1. 「自分は若い」と本気で思いこむ。
韓国の研究で、59歳から84歳までの68人に調査を行った結果、「自分は実際の年齢よりも若い」と答えた人は、実際に灰白質の密度が高い、記憶力が良い、うつの傾向が低いというデータがあるという。
灰白質 脳科学辞典

またハーバード大学では、70代になる8人を対象に実験を行ったそうだ。
その実験とは、TVや家具に至るまで、全ての調度品を22年前のものにして、部屋で5日間共同生活を送るというもの。
結果、姿勢がよくなった、考え方が柔軟になった、視力や見た目、手先の器用さもアップするなどの若返り効果が現れた。
5日間を過ごした後で撮った写真をその前のものと比較すると客観的には、平均で3歳も若く見られたらしい。
これを長期間続ければ、もっと良い結果が期待できることになるだろう。
自分は、若いと本気で思いこむことが大切とは、そういうことなので、行動の若い人は年齢を考えない人も多いのかもしれない。
けれど、それは確実に、脳を若く保つのに役立っている。
マインドを若く保ち、おしゃれをして周囲の人にも配慮を考えて行動することで、健康状態まで若返ることができるという実験結果が出ているのは、素晴らしいことだ。
その逆に、8~13歳も自分は年を取っているというマインドを持っている人を調査すると、18~35%も死亡リスクや病気のリスクが高まっているという調査結果が出たらしい。
ネガティブな考えは、持たないように気を付けたいと思う。

2. いくつになっても「欲」と「生きがい」を持とうとする。
「欲」には、ドーパミンの減少が関係しているので、食欲が減ったりするのは、ドーパミンの量に比例するらしい。
食欲のある人とない人を比較すると、ある人の方が長寿という調査結果が出ている。
なので、ドーパミンを上げることが大切なのだけれど、これは簡単に上げることができるのだそうだ。
笑顔を作る、好きな音楽を聴く、体を動かす、好きな人の写真を見る、スポーツなど、予想外の楽しいことが起きることに参加する、新しいことに挑戦する、などの行動をとることによってドーパミンの量が増えるという。
こういう習慣を持っている人は、いつまでも衰えず若い脳を保てる可能性があるのだそうだ。

年齢を重ねてから幸せに対する欲望が増えていく傾向にあり、それにはオキシトシンというホルモンが大きく作用するらしい。
オキシトシンは別名愛情ホルモンと呼ばれ、動物や人間との心のつながりによって生まれてくる。
つまり、年齢を重ねると、人とのつながりや人への貢献で幸せを感じることが、より重要になるということだ。
これは、2022年の調査結果に出ているのだそうだ。
ここで、先に書いた記事の中のボランティア活動など、人の役に立つことをするというスーパーエイジャーたちの行動と重なってくる。

3. 脳が老化するネガティブな言葉を使わないようにする。
言葉というのは、実は自分を形成しているもので、使う言葉によって自分が変化していくものだから細心の注意を払うべきものなのだそうだ。
著者が本の中に書いておられる中に3つの禁止ワードというものがある。
1.老けた、2. 年を取った、3. もう若くない。
他にも、あー疲れたとか、もう嫌になる、そんなことできるわけがないというネガティブな言葉も使わないようにした方が良いらしい。
最後の言葉が印象に残るので、こうした言葉を使う場合には、疲れた、でも、おかげで仕事が進んだ、などのようにポジティブな言い回しに変えて終えるのが良いそうだ。
これなら、簡単にできそうな気がする人も多いと思う。

ニューヨーク大学の実験で、学生をグループ分けし、老人っぽいネガティブな言葉の羅列で文章を作るグループとニュートラルな言葉で文章を作るグループに分け、歩いてもらったところ、前者の方が、歩くスピードまで遅くなってしまったという結果が出たのだそうだ。

80歳でも脳が老化しない人がやっていること 3つ
1. デジタルツールを使いまくる。
2. 「自分は重要な人」を実感できる場を作る。
3. 働き続ける。

1. デジタルツールを使いまくる。
確かに、新しいデジタルツールを使いこなそうと思うと、かなり面倒だ。
例えば、スマートフォンの機種を変更すると使い方を覚えるまでに時間がかかると思うので、ついつい億劫に考えてしまう。
けれど、世の中がものすごいスピードで進化していく以上、まず、それを使いこなせなければ情報も得られない。
面倒なだけで負の連鎖を繰り返すと、時代にとり残され、便利な技術を享受できないという損をしてしまうことになる。
それではもったいないので、脳のためにも積極的に使うのが良いと思う。
著者は、小さなことでもよいので、高齢者ほど、SNSを活用した方がいいと書いていて、その理由は認知効果を上げることに期待できるからだそうだ。
SNSでコミュニケーションをとれるようになることや、バーチャルの旅行もできるし、自分で検索をしてググることも脳活には、大切だそうだ。

2. 「自分は重要な人」を実感できる場を作る。
「自己肯定感」ではなくて「自己重要感」。
自分が誰の役にも立っていないと自覚してしまうと、心がネガティブになる。
なので、キレたりマウンティングをすることでそれを満たすのは間違いで、労咳になってしまう。
そうはならないよう、無理をせずに自分でコントロールできる範囲で、それを満たすことが大切。
何故なら失敗すると、逆にネガティブな結果を生んでしまうから。
自分のできることで、人の喜ぶことをするのがいいらしい。
例えば、自分の知識を生かして誰かの手伝いをする、ボランティア活動に参加するなどして自分が必要な人間であることを実感できるとよい。

3. 働き続ける。
65歳以上の人で働いている人の多い県は、長寿という調査結果が出ているそうだ。
働くということをネガティブに捉えずに、自分は社会の役に立っているというようにポジティブな考え方をすると、自己重要感も感じられる。

今回の内容は、前回の話と重なっている部分も多いけれど、より具体的なヒントになったと思う。
今以上の日本の社会の高齢化は、もう避けようがなく、この先の対策と言っても、なかなか難航したままだ。
でも、そういう社会になるのなら、元気で頑張る人が増えて、社会を支えて行けるようになるしかない。
それも、ネガティブに頑張るのではなくて、幸せを感じながら、体も脳も健康なスーパーエイジャーになり、お互いを助けることを目標にして生きていけるといいなと思う。

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